今日まで様々な研究が重ねられてきている恐竜は、今や化石が一つでも発見されるだけで多くの可能性を秘めている大発見と言えます。
では、初めて恐竜の化石が発見された時、周りの人たちの反応はどうだったのでしょうか。
実は恐竜が認められた歴史は浅い?
恐竜の化石の発見はそれこそずっと前から続いていると思われがちですが、意外にも恐竜の化石発見の歴史や研究は日が浅いことをご存知でしょうか。
実は、恐竜の化石が発見されて認められようになってからは200年弱しかたっていないとされているのです。
もちろん、その前から化石は様々なところで発見されてきたはずです。
しかし、それ以前に発見された恐竜の化石は恐竜のものとして認識されていなかったとされているのです。
では、初めての発見、そして多くの人の認識が得られようになる以前は、恐竜の化石は人々にとってどのような存在だったのでしょうか。
発見された化石はどんな存在だったのか
恐竜の化石はその存在が認められた200年よりも前にすでに世界中で発見されていたとされています。
1800年代からすでに化石は発見されていましたが、それが古代に生息していた大型の爬虫類のものだとは考えられなかったのです。
今現在様々な羽毛恐竜が発見されている中国では、すでに1500年代から恐竜の骨である竜骨が発見されているのですが、恐竜のものとは考えられておらず竜の骨として漢方などに使用されていたようです。
ネイティブインディアンたちがいたアメリカでは、その恐竜の化石をバッファローの祖先として崇め奉り、それが恐竜のものだと考える人はいなかったとされています。
最初に化石が発見されて認められたのは?
恐竜の化石は発見されても長い間恐竜のものとして認められていませんでした。
それが、恐竜のものだとして認められるようになった最初はいつ頃のことだったのでしょうか。
最初に、恐竜の化石として認められた発見は、1822年のイギリスでギデオン・マンテル氏が発見したイグアノドンの歯が最初とされています。
医師でありながら地質学の研究を行っていたマンテル氏は、採掘場で見つけた化石を当時生息していたイグアナよりももっと大きな大型爬虫類のものだと考えたのですが、認められることはなかったとされています。
それでも、諦めきれずに聖職者でありながら化石の研究者であったウィリアム・バックランドと共に今度は肉食恐竜であるアロサウルスの存在を説いたのですが、これも覆られたとされています。
なぜなら、聖書の一文に「神はすべての生き物に植物を与えた」とあることから、肉食恐竜の存在自体を否定されてしまったのです。
それでも諦めきれなかったマントル氏は、「だったら草食恐竜を見つければよいのか!」と発奮したかわかりませんが、苦労の末自分の発掘した化石の中から歯と脊椎を復元したものを発表し、それが世界的な最初に恐竜の化石の発見となる大型の草食恐竜、イグアノドンの誕生につながったとされています。
今では当たり前に恐竜の存在を信じている私たちですが、このように最初に恐竜の化石の発見をした人が認められるまで努力したからこそ、今日において恐竜の存在が信じられるようになったのかもしれません。