スピノサウルスはティラノサウルスと同じ白亜紀後期に生息していた恐竜とされています。
背中の棘は何なのか、その役割などについて解説していきます。
背中の棘はいったい何?
スピノサウルスは恐竜ブームをけん引することになったジュラシックパークの第三弾の映画で登場し、一躍その名前と姿が多くの人に認識されるようになった恐竜と言えますが、背中についている棘はいったい何なのかご存知でしょうか。
背中の棘よりも気になるのは扇子を広げたような形をした扇形の帆のようなものだと思われますが、棘はその扇形の帆の骨組みとなって背骨からまっすぐに伸びているその棘のことを指します。
実はこの棘は神経棘であり、その神経棘の骨の間を筋肉と皮膚が覆うような形で作られているのがその扇形の帆だとされています。
では、この棘は実際にどんなことに役立っていたのでしょうか。
背中の棘の役割は?
スピノサウルスの背中に伸びているまっすぐの棘は実際にどんな役割をしていたのか気になるところですが、それを考えるにはその背中の扇子のような帆はどんな役割をしていたのかを考える必要があります。
背中の扇形の帆の役割としては様々な推測が立てられており、神経棘だったことから体温調節のためのラジエーターの役割をしていたのではないかという説や、異性へアピールするための飾りなど様々な説があるとされています。
その他には、スピノサウルスは陸上ではなく主に水中で過ごすことが多かったため、水中の中で舵取りをするための役割があったのではないかと考えられています。
その棘が伸びた背中の帆は、実に1.8メートルもあったとされており、何かしらの役に立っていたからこそ、そこまで巨大なものになっていったのではないでしょうか。
巨大だからこそ、困ったことに?
背中の神経棘は体温調節などラジエーターの役目や異性へのアピール、水中での舵取りなど様々なことが考えられます。
そして、何かに役立っていたからこそそこまで巨大になっていったのだと思われますが、だからこそ困ったこともあったのではないかと思われます。
前述したように、スピノサウルスの背中の神経棘が伸びた扇形の帆は1.8メートルにも及んでいたことから、それを後ろ足だけで支えるのは難しかったのではないかと考えられています。
加えて、その扇形の帆と胴体が一体化していたために上半身を起こすことが出来なかったのではないでしょうか。
一般的な獣脚類の場合、ほとんどが二足歩行で後ろ足だけでその体重を支えているのですが、スピノサウルスの場合その巨体から二足歩行は難しかったため四足歩行で歩いていたのではないかと言われています。
また、浮力を利用できる水中を泳ぐ分には申し分なく過ごせていたとしても、陸上だとその大きな巨体を支えるのに困難して、他の肉食恐竜よりも運動能力が低かったことも十分に考えられると言えます。