恐竜の化石は大昔から発見されているのですが、それが恐竜のものだと認められるようになったのは最近のことだとされています。
実は、恐竜の化石発見の歴史は私たちが想像している以上に浅いことをご存知でしょうか。
恐竜の化石発見の歴史はどれくらい?
恐竜は今現在も世界各地発見されており、新種の恐竜はもちろん羽毛のある恐竜まで発見されるようになってきました。
しかし、その化石が恐竜のものだと認められてからの歴史は意外に浅いことをご存知でしょうか。
恐竜の化石が発見され、それが世間に認められるようになってから今日まで、その歴史は200年程度だとされています。
もちろん、それ以前にも恐竜の化石は発見されているのですが、諸事情により認められるのに時間がかかっていたとされているのです。
なぜ、恐竜の化石はそこまで世間に認められることがなかったのでしょうか。
なぜ恐竜の化石は認められなかったのか
恐竜の化石発見の歴史は、実は意外に浅いと解説しましたが、もちろんその化石発見が世間に認められる以前にも世界各地で化石は発見されていたと言われています。
日本においても、まだ化石の発見にまでは至らないにしても中国などの近隣の国からその知らせを受けるなどして、存在自体は知られていたようです。
では、なぜ世界各地ですでに化石の発見がされていたのにもかかわらず、それが恐竜の化石だとは認められなかったのでしょうか。
ダーウィンの進化論などもそうですが、世間的には異例的なことを提唱する際には、批判の対象の的となることは非常に多いとされています。
今現在では、インターネットなどの普及によって未知の生物や世間的には認められていないことを知ることは可能ですが、そんなものがない時代は自分の目で見たもので判断するしか他に方法はなかったと言えます。
それだけに限らず、宗教的な考えも関係していたり、それまでのその国の歴史の背景なども関係して、人類が誕生するはるか以前に想像を超える大型爬虫類が生息していた事実などを、簡単に認められる人は変人扱いされていたのです。
日本でも江戸時代にはすでに恐竜の化石が存在が知られていたのですが、それはあくまで天狗の骨や何か神聖な動物の骨であると信じられ、それが恐竜のものだと思う人は誰一人いなかったのです。
研究者たちの信念が恐竜の化石発見の歴史につながる
では、最初にその化石が恐竜のものであると認知されたのはいつ頃のことだったのでしょうか。
初めて恐竜のものだとして認められた化石は、1825年に医師でありながら地質学の研究を行い化石の発掘もしていたギデオン・マンテル氏によって発見されたイグアノドンの歯の化石です。
もちろん、最初はそれが人類が誕生する以前に生息していた大型爬虫類のものだと信じる人はおらず、全く認められなかったのですが、長年の研究によりそれが恐竜の化石であることを何とか認められたいと躍起になったマンテル氏は、さらに自分がそれまで発掘してきた中から歯と共に脊椎の化石も一緒に復元したことで、それが過去に生息していた大型爬虫類、つまり恐竜のものだと認められ、現在の化石発見の歴史へとつながってきているのです。
また、1923年にはアメリカの博物学者であるロイ・チャップマン・アンドリュースは世界で初めて卵の化石を発見しています。
このように、恐竜の化石発見の歴史は、その当時の恐竜好きが決して認められるまで諦めなかったからこそ、今現在もその歴史が受け継がれ恐竜に関する化石の発見や発掘が続けられるようになったのではないでしょうか。