恐竜はどのように鳥の祖先となっていったのか

恐竜が爬虫類ではなく鳥の祖先であることは最近の研究において明らかになってきています。

では、実際に恐竜はどのようにして鳥に進化していったのでしょうか。

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その1:独自の呼吸法を獲得

恐竜が鳥の祖先であることは非常に真実に近いとされていますが、そうはいっても実際にはどのように恐竜が鳥類となっていったのかというのは疑問が残ります。

今現在生息している鳥類の多くは、私たち哺乳類と同じく恒温動物であり、外気温に左右されることなく自分の体温を維持できるためどんな環境にも対応できることから幅広く生息範囲を広げることが可能であり、爬虫類などの変温動物では到底住めないような極地にも生息することが出来るとされています。

鳥の祖先である恐竜が鳥類と同じく恒温動物であるかどうかと言うのはまだ判断が難しく研究段階であるとされているようですが、確実に鳥へと進化する過程を獲得できたことの一つとして、独自の呼吸法を獲得したことがあるとされています。

通常、人間やその他の生き物には肺が存在しそこから呼吸しているのですが、恐竜も鳥類も肺を持っておらずその代わり独自の器官をもっているとされています。

それは気嚢と呼ばれる器官であり、肺と同じように酸素を取り込んで体の隅々にまで送るシステムを備えた臓器なのですが、これは肺よりも効率よく呼吸をすることが出来るので酸素濃度に関係なくどんな地域でも過ごすことが出来るとされています。

恐竜が誕生した三畳紀は、それ以前のカンブリア紀と比較しても酸素濃度が低かったとされており、恐竜たちは気嚢を持つことでどんな酸素濃度でも対応できるように進化し、やがて鳥の祖先となるべくして進化を遂げていったのではないかと思われます。

その2:歯からくちばしへの移行

恐竜が鳥の祖先であったことはすでに化石の証拠やこれまでの研究から明らかになってきてはいるのですが、そうはいってもまだまだ恐竜が鳥類となるのにはいろいろな段階を踏まなければならないと言えます。

それが、鋭利な鋭い歯からくちばしへの移行です。

恐竜は歯を持っていますが、今現在生息している鳥類の多くには歯が存在しません。

そのため、進化の過程のどこかで歯を消失する可能性があるのですが、どのように変わっていったのかご存知でしょうか。

鳥の祖先と近縁となるリムサウルスや、鳥の祖先となるサペオルニスなどの恐竜の幼少期には歯が存在しているのですが、それが大人になる過程で消失し、その代わりにタンパク質であるケラチン素材のくちばしが口を覆うように進化していったとされています。

つまり、恐竜は成長する過程で徐々に歯を失くしくちばしを付けるようになり、やがて生まれてすぐの子供も歯を持たなくなり、最初からくちばしが生えている子供が生まれるように進化していったということになります。

その3:始祖鳥は恐竜と鳥の中間地点の生き物?

鳥の祖先と言えば始祖鳥を思い出す人が多いと思われますが、確かに始祖鳥も当然鳥類の流れを汲む恐竜の一種であると言えます。

ただし、今現在生息している鳥の多くには歯は存在しませんが、始祖鳥にはまだ歯が存在するとされています。

そこから考えられることとしては、始祖鳥は恐竜がこれから鳥類へと進化していく過程でのちょうど中間地点にいる生き物と言えるのかもしれません。

始祖鳥に限らず、将来的に鳥類へと進化する予定である何種類かの恐竜は、進化の過程において歯が生えてくるのを抑制するようなシステムに切り替えて、その代わりにくちばしを作っていくように変わっていったのではないでしょうか。

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