恐竜の種類によっては羽毛で覆われているものもいますが、基本的には皮膚がウロコで覆われているものが多いとされています。
脱皮をする生き物は多いですが、恐竜も脱皮をすることがあったのかについて解説していきます。
そもそも脱皮とは?
恐竜が脱皮をするかどうかを考える前に、まずは脱皮とはどのようなことなのかについて解説していきます。
そもそも脱皮とはどんなものなのかというと、その名前の通り皮を脱ぐことであり多くの生き物にもみられる代謝現象です。
テレビやインターネット、あるいは道端のダンゴムシなどが自分の姿と同じ皮を脱いでいる姿を見かける機会もあると思われますが、人間は基本的に脱皮することはないように思えて新しい角質が出来ると自然に古い角質が落ちるようになっています。
脱皮は、昆虫やカニなどの節足動物、爬虫類や両生類等にもみられる現象です。
なぜ脱皮をするのかというと、体を大きくするためだとされており、人間などの哺乳類の場合体の中心の骨が存在しその周りは柔らかい皮膚で覆われているために脱皮する必要はないとされています。
その一方で、昆虫などの節足動物は内部が柔らかい組織で出来ておりその周りをクチクラ層という堅い皮で覆われているため、大きくなるためにはこの古い堅い殻を脱ぎ捨てる必要があるのです。
それを脱ぎ捨てるのが脱皮なのですが、実は脱皮は命懸けであり途中で失敗してしまうと脱皮できなかった部分の体の機能が失われてしまい最悪死に至ることもあると言われています。
しかし、体を大きくするためにはやはり脱皮しなければならず、生き物たちは多大なエネルギーを消費して命が危険にさらされるリスクを背負ってでも脱皮をするのです。
恐竜も他の生き物のように脱皮をしたのか
まさに命がけの行為である脱皮ですが、恐竜も他の生き物と同じように脱皮をしたのか気になるところです。
祖先と子孫の関係ではありませんが、恐竜と姿が似ている爬虫類も脱皮をしていたことを考えると同じく、脱皮したのではないかと考えると言えます。
実際に、昆虫のように綺麗に脱皮したかどうかは定かではないとされていますが、実は世界で最も古いとされている恐竜の脱皮の化石が見つかっていると言われています。
ただ、爬虫類や昆虫のように自分の姿と同じような殻を脱いでいたのではなく、私たち哺乳類や鳥類などのように体の古い角質の小さな断片が少しずつ自然に剥がれ落ちることで脱皮となっていたことが考えられます。
恐竜の脱皮とはトカゲと同じ?
皮膚というのは私たちが気付いていないところで常に新陳代謝を行っており、人間の皮膚は大体4週間ほどで生まれ変わるとされこれをターンオーバーと言うのですが、恐竜の場合はどうだったのでしょうか。
恐竜は現在に生息していないため、似たような体を持つ鳥類や爬虫類を参考に考えるしかありませんが、爬虫類のような有鱗類は角質層の形成に休止期があるとされており、新しい角質が出来るとともにその内側に古い角質が残ります。
ヘビなどは、それを裏返すことによって脱皮となるのでつながった長い脱皮の皮ができますが、トカゲなどの場合は古い角質が大きな断片となって剥離していきます。
これから考えると、恐竜もトカゲなどと同じように少しずつ古い角質が剥離することで脱皮をしていたのではないかと考えられます。
また、羽毛が生えた恐竜の場合も、今現在生息する鳥類のように換羽期があり自然と羽が入れ替わっていたのではないでしょうか。