恐竜と言って多くの人が思い浮かべるティラノサウルスなどの肉食恐竜たちは、その体の大きさに似合わない非常に小さな手をしています。
2足歩行に進化していった恐竜は、なぜ手が小さいのかその疑問について解説していきます。
理由その1:体のバランスを取るため
トリケラトプスやステゴサウルスなどの草食動物たちはその体を支えるために手を前足のように活用しており、その分しっかりとした前足に進化しています。
しかし、ティラノサウルスやアロサウルス、ギガントサウルスなどに代表される肉食恐竜たちは、非常に手が小さいのですが、なぜそこまで小さい手になってしまったのか気になるところです。
手が小さい理由としては、どんなことが考えられるのでしょうか。
恐竜、特に肉食恐竜たちはなぜそのように手が小さく進化してしまったのかを考えていくと、体とのバランスを取るために小さい手になったと言われています。
一昔前では、ティラノサウルスを始めとする肉食恐竜たちはしっぽを引きずって歩いていたと考えられていましたが、実はそうではなくしっぽをあげて上半身とのバランスを取って生活していたと考えられています。
しっぽをあげて歩いたり走っていたとなると、その分上半身が重すぎてはバランスが取れなくなってしまいますので進化の過程で上半身のバランスを軽くするために手を小さくしていったのではないかと言うのが、肉食恐竜たちの手が異様に小さい理由の一つと言われています。
理由その2:実は凶器に使っていた?
小さいことから使い道がないのでは考えられていた肉食恐竜の手ですが、実は凶器として使っていた可能性もあると言われているのをご存知でしょうか。
確かに、手自体は非常に小さく使えそうにないのですが、その手の先には長く鋭い爪がついており、それが獲物を倒した後でその前足で深い傷をつけて致命傷を与えるのに役立っていたとされています。
非常に小さいので役に立たないように思われがちな手ですが、実は球関節にも酷似しており非常に動かしやすい手であっただけでなく、骨も頑丈だったので肉食恐竜たちは上手にその手を使いまわしていたのではないかと考えられているのです。
理由その3:交尾の際の必須道具?
前足が小さい理由としては、小さいからこそ自由に動かすことができたことも大きな理由の一つではないかと考えられています。
特にティラノサウルスの場合、他の肉食恐竜とは違い手には2本の爪しかついていなかったため非常に動かしやすかったとされています。
そのため、交尾の際にメスの体を掴むために手で押さえていた可能性もあるとされており、実は交尾を行う際の重要な必須道具ではないかとも考えられています。
あまりに小さすぎて意味がないのではと思われがちな肉食恐竜の手ですが、実は大切な役割を果たしていたのかもしれませんね。